百物語
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┣1本目 赤い穴

俺の知り合いから聞いた都市伝説なんだけど……

前に、その人が一人暮らしを始めた時の話なんだけどね。

荷物も全部運び終わってゆっくりしてた時だったらしんだけど、押し入れの中に少しだけ覗けるような隙間を見付けたんだって。

その人が気になって中を覗くとその先は真っ赤で、たまに黒の点が左右や上下に映る、不気味な光景だったって言ってた。

そして、そこはいつ覗いても赤かっただってさ。


それは気味が悪いよね。


だからある日、その人は大家に聞いたんだって。

「俺の部屋の隣には…どんな人が住んでいるんですか？」


って。


すると大家はゆっくりと答えたんだってさ。


「君の隣に住んでいる人は……目が赤い人だよ」


それ聞いて背筋が凍ったって。


そりゃあ、そうだよね。


だって……


ずっとその人の部屋を見ていた事になるんだからさ。


だから急いで隙間を段ボールで塞いで、数日経ってから引っ越したんだって。


これが、俺の怖い話。


――ﾌｯ ｼｭﾎﾟ
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