百物語
「つっ…!!」


走れれば楽なのにそれが出来ない。


しかし相手は幾重にもあるような足音を立てて私の恐怖心を煽ってくる。


それが焦燥感を産んで私の行動を支配していく。


最悪…声を出さなければ良いらしいからなんとかなる。


そうは思っても今までの経験上やはり恐怖心が勝ってしまう。


四階に上がりきると何故か4階だけさらに荒れていて廊下も荒れ放題であった。


これではいつ音が鳴っても不思議ではない。


マジかよ…!


信じられん……


そんなに私を陥れたいのかよ…!


階段を上がってくる音が聞こえる。


いよいよ逃げ場はここしかなくなってきた。


意を決して私はその新た廊下を進んでいく。
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