百物語
暫しの沈黙に身を包んでいた。いやそうすることしか出来なかった。
少し経ってからゆっくり立ち上がってその場から離れようとした。
ただその時…私の中で1つの懸念があった。
……本当に下まで落ちたか?
かなりデカくなった化け物は姿を変えられる。姿を変えて何処かに捕まることは可能だろう。
もし…もしも……実は落ちたふりをしていてそこに居て…私が動くのと同時に後ろの穴から出て来て捕まえに来たら……。
全てを察して私は身震いをした。そしてよせばいいのに穴を見にいくことにした。
ゆっくり…音を立てない様に慎重に穴に近づいて…その暗闇の深部に顔を覗かせた。
ーー見なきゃ良かったと心の底から後悔したよ。
そこには黒い触手を伸ばした化け物がじっとこちらを見ていたのだから。視力がないとのことだったから今まで目なんて見たことがなかった。
…見えない訳じゃなかったんだ。見てなかったんだ。だってその化け物の目はタコの口の様に体の下にあってその目がまさに今…顕になっているのだから。
眼球は1つで赤く瞳孔の黄色い目がこちらを見ているその姿は…恐ろしかった。
「ヒッ……」
思わず声が漏れてしまった。しまったと思ったらしいがもう遅い。
やっと捕まえられるとその触手が私を捕らえてそのまま引きずり落とす。
最後に見たのは目の下が裂けて出来た…巨大な口であった……。
少し経ってからゆっくり立ち上がってその場から離れようとした。
ただその時…私の中で1つの懸念があった。
……本当に下まで落ちたか?
かなりデカくなった化け物は姿を変えられる。姿を変えて何処かに捕まることは可能だろう。
もし…もしも……実は落ちたふりをしていてそこに居て…私が動くのと同時に後ろの穴から出て来て捕まえに来たら……。
全てを察して私は身震いをした。そしてよせばいいのに穴を見にいくことにした。
ゆっくり…音を立てない様に慎重に穴に近づいて…その暗闇の深部に顔を覗かせた。
ーー見なきゃ良かったと心の底から後悔したよ。
そこには黒い触手を伸ばした化け物がじっとこちらを見ていたのだから。視力がないとのことだったから今まで目なんて見たことがなかった。
…見えない訳じゃなかったんだ。見てなかったんだ。だってその化け物の目はタコの口の様に体の下にあってその目がまさに今…顕になっているのだから。
眼球は1つで赤く瞳孔の黄色い目がこちらを見ているその姿は…恐ろしかった。
「ヒッ……」
思わず声が漏れてしまった。しまったと思ったらしいがもう遅い。
やっと捕まえられるとその触手が私を捕らえてそのまま引きずり落とす。
最後に見たのは目の下が裂けて出来た…巨大な口であった……。