still
あの時の誤解
あの時。
あの日。
何回後悔して、悔やんでも二度と戻らないあの瞬間。
ある男の子にあたしは呼び出されて、空き教室にいた。
その子は同じクラスでたまーに喋る程度の中塚くん。
「ごめんな、沙優。
呼び出して」
「んーん。いいけど大事な話って何?」
なんだか空気が重いのは気のせいだろうか。
あたしと目を合わそうとしず、斜め下に視線を向けている彼。
「おーい?
どないしたんよ?」
あたしは、涼矢との約束があるため用事があるなら早くして欲しかった。
「あのさ、付き合ってくれへん?」
「は?」
突然の言葉にびっくりして、驚くあたしに"俺、本気で好きやねん"って真剣な眼差しを向ける中塚くん。