ぼくらの七夕大作戦!
七夕の夜、お母さんは短冊に「家族みんなが楽しく元気ですごせますように」ってかいた。

お父さんは「日本の景気がよくなりますように」だって。

ぼくは「およげるようになりますように」ってかいた。

お姉ちゃんは、ぼくの短冊をみて大笑いだ。

「あっ。おかあさん見て、たいがの。泳げますようにだって!泳げないのは自分の努力がたりないからだよ。練習しなよ。ばっかじゃないの?」

なんていやなお姉ちゃんだ。わかなちゃんとこうたいしてほしい。

ぼくはふとんの中で泣いた。

お姉ちゃんの「ばっかじゃないの」がくやしくてくやしくて、泣きながら眠った。

ふと、じぶんのじゃない泣き声で目が覚めた。

きものみたいなかっこう。男なのに、頭をおだんごにしている。

先生によんでもらった紙芝居に出てきたから、ぼくは男の人がだれだかすぐにわかった。

「ひこぼしさんだよね。どうしてで泣いてるの?」
< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop