鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
鳴瀬家の人々
――朝。
今日も一日が始まる。
窓から射し込む朝日が、洗濯日和である事を柔らかく伝えてくる。
私はコーヒーをゆっくりと口に含みながら、落ち着いた優雅な朝の時間を穏やかに過ごしていた。
新聞をテーブルに広げ、ゆっくりと読み始める。
政治、事件、強盗、詐欺、虐待…。
そこにはこの穏やかな時間を過ごす私と同じ国で起こっている事とはとても思えない胸を痛める見出しが並んでいる。
「はあ…」
軽くため息をついて、新聞を閉じると、脇によけておいたチラシに手を伸ばす。