鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
「あんたら…あり得ねぇよ…。
何でそんなにイライラしてるのさ」
親子ほど年の離れた二人が暴れる程に感情を露にした事など、これまで一度もないのに。
「徳野!大体お前が偉そうにしてるから悪いんだ!
自分ばかり楽しようとしやがって!!」
「じゃあお前が積み込み確認するのかよ!!
責任のあるところはいつも俺がやってるじゃないか!!」
「お前、だと!?
何だ、その口の聞き方は!?」
ピシッ!
そう言った直後にはねちゃんの平手打ちが、とっくんの顔をはたき、彼の身体が床に倒れた。
「はねちゃん!!やめろ!!」
鳴瀬は咄嗟にとっくんの前に飛び出した。
流石にはねちゃんは手を引いたが、とっくんを鋭く睨んでいる。