鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
………かっ……可愛い。
消しゴムの跡がたくさん残ってる。
きっと何度も書き直したんだね。
愛子ちゃん、こんな息子ですが、どうかよろしく。
母は早くもそんな気分だった。
それに対して祐吾はなんて書いたのかしら。
「ね、次のページも見てい?」
「うん、いいよ」
パラッ。
ワクワクしながら一枚めくる。
『愛子ちゃんへ
今日は寒かった。
朝は制服の下にベストを着るか、着ないか迷って結局着なかった。
集会の時、体育館が寒くてベストを着るべきだったと後悔した。
家に帰ると悟が抱っこと言ってきたから抱っこをすると降りなくなってしまい重くて腕が痛くなった。
お母さんが昼寝をしたので勉強しながら弟達の面倒を見た。』