鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》


「さくら、参加する!」

「え。
祐吾くん……、そんな」


愛子ちゃんが困ったように祐吾を見た後、ギロッとさくらちゃんを睨む。


「愛子ちゃんは優しいから、さくらちゃん、良かったね。
じゃあ、僕が今日書いてさくらちゃんに今度は渡すね」

「うん!待ってる!」



――祐吾、君は、分かっていないんだね?

乙女二人を取り巻いているこの不穏な空気を。


何と。
知らない、とは罪な事か。





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