鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
その目は同じ
―――「あの…鳴瀬さん。
ここのところ、少し教えて欲しいんですけど」
二ヶ月ほど前にアルバイトとして入社した工藤くん。
私より五つ年下のホンワカ系男子。
「ああ。何」
「あの、ここで日付が変わると携帯端末にエラーが出ますよね。
そしたら前日で入庫するんですか」
「ちげぇよ。
前日入庫だと期限切れになるじゃん。
強制入力すんだよ」
「あの、どうやって?」
「………工藤ちゃん。
先週、…教えたよね?」
「………ひいっ…。
……そうでしたデショウカ……」
………ひいっ……、て、あんた。
マンガの吹き出しみたいにビビるなよ。