鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》


放心する私に森戸がさらに言う。


「だけどさ、あいつ、鳴瀬の事こうも言ってた。

ちょっと、恐いって」

「へ」

「怒ると恐いって。
あんまいじめんなよ〜」

は。


私は工藤くんを怒った記憶は全くない。

ああ。そうか。

周りのやつらを怒っている場面は毎日見てるか。


……………今、気付いた。

同じ目だ。





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