鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
「悟がアトラクションの待ち時間に耐えられる訳がないだろ…。
しかもディズニーランドだなんて…。
車で行くとなると……六時間くらい…?
……飛行機?
…予算がねぇよ……」
私がそう呟くと祐吾が静かに言った。
………「僕…、城が見たい」
は…?
家族全員で一斉に彼を見る。
「城?」
彼は自他共に認める歴史オタクである。
特に戦国時代のあたりの世に非常に興味を持つ、珍しい少年だ。