鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
話している私の手をグッと引っ張り、突然直哉が私にキスをしてきた。
「………!なっ…」
彼はニコッと笑って言う。
「いつも、感謝してるよ?
たまには日常を忘れたいんだろ?」
「…………」
………そうだけど…。
ふと子供たちの方を見ると、みんな嬉しそうに宿の話なんかをしている。
「ねぇ、ホテルかなぁ」
「じゃない?車で六時間だって」
「じゃあ日帰りはないね」
…………。
ま、………いっか。