鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》


「菜々ちゃん、お姉ちゃん、クッキー作ったの」

おリボンのついた可愛いエプロンをして彼女は今日も遊びに訪れた私を出迎える。

「これね、布が余ったから思わず作ったの。
はい、あげる」

差し出されたのはお手製とは思えない完璧な仕上がりのミニトートバック。

「……マジで。すげっ。
ありがとぉ」

私はそれを眺めながらクッキーを頬張る。

「うめっ。…まじ、うまい」


モグモグしながら誉めると、
「そう?良かった。
じゃあ、お土産用も作るわ」
と、にこやかに彼女は言う。


やった〜!

…って、私。
尽くされまくりの彼氏みたい……。





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