鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
彼女が大学時代に別れるか、別れないかと、自然消滅の危機を迎えていた彼氏に妹が突撃電話をする、というあり得ない事態を迎えた事さえあった。
今思えば、妹が電話してうまくいくはずもないのだから、私が案外壊したようなものかも知れない。
そんな恋も含めて、色恋沙汰の途絶えない姉ではあったが、彼女の理想とする強引で彼女よりもかしこい王子様など現れるはずもなく、彼女は別れては出会い、出会っては別れ、を繰り返していた。
そんな時、出会ったのが涼である。
「君と結婚したい」
義兄に言われ、二つ返事で承諾した姉。
さあ。
幸せな結婚生活の始まりである。