鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》


隣の部署からの内線で、なぜか田村のクレーム。
おいおい。
顧客でもねぇのに聞いてられっか、とばかりに言い返す。

「私は田村の嫁じゃあないんだから。
自分でちゃんと取り立てろ」

相手も黙っちゃいない。

「だって!田村は鳴瀬の言うことしか聞かないじゃないか」

・・・・・・。確かに。

お得意の新人しごき(イケメンは除く)で『鳴瀬教』に入信した田村は、半年間、教祖(私)の言いつけを守り、逆らうと損をすると学んだようだ。

一度、「やってらんねっす」と言って仕事を放棄した彼に、ダンボールつぶし九千個を命じた。
それ以来めっきり張り合いのない奴になってしまったのだ。

私的には「かかって来いや!カモン」と思ってはいるのだが。


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