鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
「そ…そうなの。大変ね」
ひきつりながら無理矢理笑顔でそう答え、そそくさと家に戻る。
リビングでは息子達がカレンダーの裏の大きな紙に頭を寄せ合い、絵を書いている姿があった。
「大地、そこは行き止まりにしたら?
その方が面白いよ」
「あ、拓也、赤色取って。
これはリンゴの木だよ」
「リンゴ!?未来都市なのに?
おかしくない?」
「未来にもリンゴはあるだろ」
「何か祐吾のセンスっておかしいんだよな」
「…うん。…変だ」
「お前!!久しぶりに話した言葉がそれかよ!?」
「アー、アー!」