鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
直哉と私は、とある流通会社の同期だった。
彼とはデスクが隣で年が同じだったせいか、入社したばかりの頃はどちらかと言えば仲は…
…良くなかった。
どうも、……色々な面でお互いに張り合ってしまうのだ。
「鳴瀬くん、ちょっとこれ、やり直して。
これじゃ課長に出せない」
「何で?習った通りにやったけどな」
「この前から記入の書式が変わったの。
知らないの」
「……。
いや、俺、その説明の時、支店長と外回りだったから」