鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
余計な事は聞かないで、遣り過ごしていればいいものを……。
私は、聞いてみたくてしょうがなくなってしまった。
何せ、不倫だなんて、ドラマみたいな出来事は私の近くで起きた事なんてないのだ。
ある日、二人でパソコンを見ながら、在庫管理をしていた時に、とうとう私の野次馬が飛び出してしまった。
「ねえ、山根。
あんた、小林さんと…何かあった…?」
嫌そうに、言葉を濁されたらそれ以上は聞かないつもりだった。
いっそ、「あなたに関係ない」と言ってくれたら良かった。