鳴瀬菜々子の奇妙な日常《まあ、いっか》
完璧な王子様は、目玉焼きによりお敗れになられました。
…カーン。
全く。
そんな事にまでこだわるのか。
もう、お手上げだ。
『ねえ、またいい人がいたらお願いね。
まあ、しばらくは岡野くんの事が頭から離れないかも、だけど』
…頭から離してほしいのは、目玉焼きだ。
「次は…ねぇよ」
『やだ。また電話するから』
「するな」
…そう言いながらも、頭の中で会社の独身男性を思い浮かべている。
それとも岡野に、綾乃の目の前で目玉焼きにソースをかけてもらうか?