信じてmyprinces
キイチくん
*冬
わたし、鈴森 涼子。16歳、高校二年生。
いきなりだけど、わたしは小学生のころから頭が良かった。
自分では自覚なかったし、受験とかよく知らなかったし中学は適当に家に近いところに通ってた。
まあそこが結構な進学校でよくわかんないうちに勉強させられてた。
高校も特にいきたいところがなかったから、先生が勧める学校に入学した。
でもそこが運のツキ。
初めて勉強が辛くなった。
毎日、勉強、勉強、勉強勉強勉強勉強勉強勉強…
わたしは生まれて初めて必死に勉強した。
でも一向に焦りは消えない。
今までは家で勉強なんてしたことなかったけど、しなきゃ追いつけなかった。
やらなきゃ、やらなきゃって思うとストレスばかりたまっていってた。
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店内には偽物サンタクロース。
今日はクリスマスイブ。
偽サンタの美人なお姉さんはきっと恋人と過ごしたいのにバイトでしかたなくこんな非現実的な格好をさせられてる。
でもさ、聞いてよオネーサン。
わたし、こんな日まで勉強したんだよ。
朝から夜まで。さっきまで。
おまけに癒してくれるボーイフレンドもいないよ。
なんかやんなっちゃうなー…
やだなーやだなーやだなー…
ふらふらと店を出ようとすると、手首あたりを捕まれて店内にひっぱられて行ってた。
わたしはなにが起こったかわかんなくて、なにも言葉が出なかった。
人っていきなりすぎるとなにもしゃべれないんだ、ふーん。なんて思ったり。