信じてmyprinces


男が急に足を止めた。

そこは店の一番奥のところで、人がいないとこ。



「ここでよし」


わたしはわけがわからなくてただその人の背中を見ていた。

180くらいの身長と筋肉で厚そうな胸のせいで少し怖い。

すると、男がはあとため息をついて振り返った。




わたしはびくっと震えて、もう一度びくっとした。



「カバンの中身、だせ」




びっくりした。


一回目はため息に。

二回目は顔に。

三回目はカツアゲに、びっくりした。


そして、四回目は自分が気絶したことに、びっくりした。



その日のわたしの記憶はここでストップしていた。



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あの人、きっと詐欺師とか当たり屋とか、そんな感じかなあ。
『カバンの中身だせ』なんて……世の中って怖い。





でも、かっこよかった…。

少しつりあがった一重の目がミステリアスで、外国人みたいに高い鼻、まるで王子さま。

それに高い身長に金髪の髪の毛……。



なんだか気持ちがふわふわする。

体があつい…恋?

恋…恋…こい…鯉…?



「こ、こい~~~!」




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