30女のレンアイ事情
「あたし、終電あるからもう帰るねー。」
カバンを肩にかけ、立ちながら言うと、修二が私を見た。
なんだよ。
「送っていってやろうか?」
ニヤリ、
ヤツはムカつく笑みを浮かべる。
「けっ…こう!です!じゃあ帰るね!紗英と遠藤くん、また会社でね!」
「うん。またメールするね。気をつけて帰ってね。」
ありがとう紗英。
「お、う…まちゃな〜。」
遠藤くん…君も帰ったほうがいい。
「なんで俺には挨拶がねえんだよ!」
お前は黙っとけ!
そんなこんなで店を出た私。
駅はもう目の前だ。
ゆっくり歩いても間に合う。
「ん…ん〜!腰いた…い!?」
腰に手を当てて背中を反らした時、ふとビルの屋上に立つ人影を見つけた。
目を凝らして見ると、どうやら男の人みたい。
なんだ?あの人。
しばらくジーッと見つめていると、その男性が屋上のフェンスを乗りこえたではないか!
「ヤバいでしょ!!」