30女のレンアイ事情
はー…、とふっかい溜め息を吐いて、目の前の男を見つめる。いや、睨む。
顔がいいからって調子乗りやがって。
その顔にパイを投げ飛ばしてやろうか?
「あたしは川杉奈月。OLやってる。ほら、あんたも教えなさい。」
促すように顎をしゃくると、男は呆れたように笑った。
「ふーん。年は?」
「…………」
はい?
なんでそんなことまであんたに言わなきゃいけないのよ?
てゆーか早く名乗れ!
「いい加減にして。あんたの名前は?職業は?それから何故飛び降りようとしてたの?早く吐きなさい!」
「そう怒るなよ。ちゃんと話すから。」
「分かったわ。ほら、話してみなさい?」