30女のレンアイ事情


マジで腹立つなー。



無意識に貧乏揺すりをしていたため、カタカタとテーブルが音をたてる。



電気だけ付けた部屋は恐ろしいくらい静か。



目の前の男は少しだけ眉を寄せると、ゆっくりと眼を伏せ、それから口を開いた。



「俺の名前は朝比奈日向。」



「ひなたくん?」



「そ。んで職業は……なんもしてない。」



「ニートかよ。」



「あのさ、せめて“無職”って言ってくんない?」



どっちも同じ意味じゃん。



コイツなんかめんどくさそー。



「次が本題よ。何故飛び降りようとしてたの?」



「それは…」



急に言葉を濁す日向くん。



言いづらいよね。やっぱり。



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