30女のレンアイ事情
「ちょ…日向くん!」
ああああ!
すっごく恥ずかしいんだけど!
いい年して私もなにテンパってんのよ!
顔を上げれば日向くんとパッチリ目が合って。
私はブン、と光の速さで顔を背けた。
すると、クスクスと聞こえてくる笑い声。
ムカつく!
「顔真っ赤。慣れてないの?こういうの。」
絡まったままの手を持ち上げて訊いてくる。
コイツ〜!
「な、慣れてるに決まってるじゃない!バカにしないで!」
嘘だけど。
「へ〜。じゃあさ…、」
「───え?」
いきなり視界が反転し、目の前に天井。
私…
押し倒された!?
「…ひょわっ。」
ヤツが首筋に顔を埋めたかと思えば、次の瞬間、生暖かい何かが肌に触れた。