30女のレンアイ事情
「とりあえずっ!あんた家は?」
乱れた髪と服を直し、座り直した私は日向に訊ねた。
「…俺に帰る場所なんてないよ。」
「どういう意味?」
「そのまんまの意味。だからさ、俺を奈月さんの家に住まわせて?」
首を傾げて可愛く言う日向。
「…は?え?」
今なんて?
たらりと冷や汗が頬を伝った。
ねえ神様。
私はこれからどうなるのでしょうか。
素敵な男性との運命的な出逢い。
憧れはするけど、そんな出逢い私には有り得ない。
でも、人生で一番最悪な出逢いを私はしたんだ。
有り得ないくらい運命的(ある意味)な、それでいて最悪(ちょっぴり不思議)な、
出逢い。