30女のレンアイ事情
「コラー!起きなさいよ!」
バサッと布団を剥ぎ取って怒鳴ると、ヤツは眉を寄せて、寒そうに身を縮めた。
くそっ!
可愛いな!
「日向!」
「…ん〜…」
「起きなさいよ!」
日向の胸倉を遠慮なしに引っ付かんで、怒鳴りつけてもヤツはしぶとく起きない。
コイツ…
マジでムカつく〜!
「……仕方ない、とりあえず車。」
こんなヤツに大事な休日の時間を無駄に使いたくない。
会社に車を起きっぱなしだったのを思い出し、私は日向を放置し、軽く身支度してから家を出た。
車のロックを解除して、運転席に乗り込んだ。
ああ。
我が愛車。
昨日ぶり〜!
ハンドルに腕をついて抱き締めてみる。
頼むからそこの人、私を変人だと思わないでくれ。
私はただ車が大好きなだけなのさ。