30女のレンアイ事情
「…30だよ。」
どうせコイツのことだ。
まだ結婚してないの?なんて言って、私を馬鹿にするに違いない。
ついでに鼻で笑いそうだ。
だけど私の予想は外れ、日向は「そう。」とあまりにも普通すぎる返答をした。
果てしなくコイツが何を考えているのか分からない。
てゆーか一生分からない気がする。
「俺は26。彼女募集中だよ。」
「…あっそう。」
やっぱり年下か。
しかも彼女募集中なのかよ。
「ねぇ奈月さん?」
「なに?」
またコーヒーを一口飲む。
苦味が程よく、美味しい。
「俺のカノジョになる?」
「はぁ!?」
口付けていたマグカップを離し、向かい側に座る憎たらしい男を睨む。
何を言い出すかと思えばなんなんだ。
意味不明。
てか、分かりたくもないんだけど。