30女のレンアイ事情
「年上の女ってさ、こう…色気があるもんだと思うんだけど?」
はぁ!?
どーゆう意味よ!
「キス一つでうるさいよ奈月さん。」
ブチッ
「あー!もう!!分かったわよ!そうねっ、たかがキス一つ!屁でもなかったわ!」
本当ムカつく男。
こんな最低野郎なんて、あの時ほっときゃ良かった!
フンっとソッポ向いて、私は腕を組んだ。
そうだ。
放っておけば良かったんだ。
そうしたら、こんなにイライラする事もなかったし、ファーストキスだって…
でも…
あの時は必死だった。
なんとかしなきゃ、って。
助けなきゃ、って。
そして。
刹那気な表情でフェンスの向こうに立っていた日向を…
どうしてだか、守ってあげなきゃって思ったんだ。