30女のレンアイ事情



………



「…日向ごめん。」



あーあ。
私らしくないなぁ。



こんな風に、素直に謝る様なタマじゃなかったのに。



日向は一瞬、驚いた様な顔をして、すぐにまたニヒルな笑みを浮かべた。



「奈月さん…なんか可愛いね。」



「からかわないで。せっかく謝ってやったのに。」



日向なんか知らないっ。



「ごめんごめん。機嫌直して?」



ポンポンと頭を撫でられ、私は驚いて日向を見上げた。



さっきみたいなニヒルな笑みなんかじゃなくて、なんだか優しい笑み。



なんかすごく気持ち悪い!!



普通、こんなイケメンがこんな風に笑ったら、世の女の子は皆、日向にドキドキするのだろう。



が。



思いっきり引いてしまった私。



そんな私に気付いた日向は、不服そうに顔を近づけてきた。



「ちっ近いから!」



離れてよねー!!


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