30女のレンアイ事情


「チッ……悪ぃ悪ぃ。手が滑ったわ。」



「今舌打ち聞こえたんですけどー。ていうか手が滑ったっていう感じじゃなかったよね?明らかに顔面狙ってたよね?」



隣のデスクに座るこのムカつく野郎の名前は緋山修二。



ただの同僚。



ついでにいうと性格悪い。



さらに詳しく言うと、



顔良し、頭良し、家柄良し、性格悪い。



みたいな感じだ。



「マジで滑ったんだって。なんか…こう…さ。」



「適当だなオイ!」



両手を使って意味不明なジェスチャーをする修二。



コイツの欠点。



適当すぎる、だな。



「それよりさー。お前朝から色目使ってんなよ。なんだよさっきの笑顔は。気持ち悪すぎて吐くかと思った。」



イスごとこちらを向いた修二の組まれた長い脚が私の脚に直撃。



「いたっ!てか色目ってなにさ!しかも失礼だよ!」



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