かふぇもか
「ありがとう。いつもゴメンね」


「いいよ」


部屋の中で待っていたのは彼氏の太一だった。太ちゃんと呼んでいる。


わたしより2歳年上の32歳だ。


わたしの家から太一の家まで車で15分、8時前にはこの家に着いた。


この日は水曜日で、平日のこんな時間に何で準備もせずに家にいるのかというと、太一もまた無職だからなのである。


彼もまた転職を繰り返し、ずっと派遣社員だったので安定した仕事には就いていない。


電気工事士の資格は取ったものの、経験が無いので就職はなかなか難しいようだった。


こんなだからわたしも両親にまだ太一のことを言えていない。


わたしも転職組なので人のことは言えないが。


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