かふぇもか
雨が降り続いて2週間が経った日、実家のある地方で大規模な土砂崩れが起きた。


実家には裏山があり、以前も土砂崩れが起きているので気が気じゃなかった。


しかもその地方は盆地になっており、水の逃げ場が無かった。


その結果、洪水まで発生してしまった。


夜だったので心配して電話をかけてみるものの、みんな心配してかけてきているのか、通話中で全く繋がらない。


すぐに駆けつけたいのに、ニュースで見る限り道路は洪水で通行止めになっているようだ。


母は無事だろうか?父は家に帰れたのだろうか?真理は?健介は?太一は?


「あ・・・、あ・・・」


心配でも何も出来ない自分がもどかしくて、言葉にならなかった。


そんなわたしを見ていた唯はそっと抱きしめてくれた。


唯の香水が強く香った。


今まで一緒に暮らしてきて、初めての出来事だったー。
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