青空メモリー
当日。
ひとまず駅に全員集まる。
はずだが。
「紫乃ちゃんまだかな?」
1人来ない。
真の友達。
朝倉紫乃(あさくら しの)ちゃんというらしい。
俺の席の隣の子だ。
「遅いねー」
「あ、来た!」
真が手を振る先を見ると、人がいた。
紫乃だろう。
「紫乃ちゃん遅いよー」
「遅れてない」
時計をみると1時。
集合時間ぴったりだった。
「さて、全員揃ったし行こーっ!」
拳を空に突き上げ、奏汰は言った。
周りの人がこちらを見ている。
俺は恥ずかしくなって奏汰の腕を掴み引っ張っていった。
なんでコイツは恥ずかしくないんだ。