青空メモリー
気持ちと思い
ある水曜日の午後12時ごろ。
外では元気に蝉が鳴いている。
そんな蝉の大合唱をBGMに部屋の中に響くのは夏の風物詩とも言える氷を削る音。
「暑い…」
無意識に思わず呟いてしまう。
今日は珍しく朝陽も遊びに行って、家には俺1人だ。
夏休みも早いことに後4日。
宿題もすべて終え、することがなく暇である。
その時、携帯が震えた。
メールだ。
俺は基本ずっとマナーモードなので音はならないのだ。
メールの送り主は奏汰。
内容は…。
「やっほー」
「“今から行くね!”」
もう来てるし。
メール送るの遅いし。
まぁめんどくさいから文句は心の中だけにしておく。
「さっきやっと宿題終わったんだよー」
奏汰は自分の家のようにリビングのソファに腰掛け、くつろぐ。
この夏休み、ほとんど奏汰が家にいた。
泊まりはしなかったが、晩ご飯を食べて帰ることは何回かあった。
朝陽は遊び相手が増えたと喜んで、母さんは十夜に友達がいたのねとこちらもまた喜んでいた。
さりげなく母さんがひどいこと言っているが、俺は今まで人と関わらなかったので、間違っていない。
母さんの言うとおりである。