青空メモリー
まぁそんなことは置いといて。
俺はこれ以上ないほどにくつろぐ奏汰のために冷蔵庫からあれを取り出した。
プラスチックの容器の中にジュースが詰められていて、真ん中で2つに割れる、あのお菓子である。
俗にいうチューペットだ。
「1本しかなくて悪いな」
奏汰は俺の手にあるチューペットを見た。
「なんで凍ってんの?!」
なんでと言われても、この家では凍らすのが普通であり、小さい頃からそうなので凍らせているだけだ。
「普通凍らせないで飲むでしょ!はやく溶かして!」
奏汰は怒りだした。
つか俺は飲むのは嫌だ。
普通にジュースを飲めばいいじゃないか。
俺達は睨み合う。
で、奏汰がジャンケンで決めようと提案した。
「最初はグー、ジャンケン…」
結果は俺がチョキ、奏汰がパー。
「俺の勝ち」
凍ったチューペットを半分に割り、奏汰に渡した。
ジャンケンに負けた奏汰は落ち込んでいる。
それを気にせずチューペットを食べる俺。