青空メモリー
表裏と本性
「…十夜ぁ」
沈黙を破ったのは奏汰だった。
俺に助けを求めるな。
俺達けんかしてたんだろ。
奏汰を無視し、流に聞いた。
「あれ、周だよな?」
「うん。キレるとああなる」
誰にも止められないらしい。
そりゃそうだ。
怖すぎて近寄りたくもない。
すると周は教室に戻ってきた。
まだ10分もたっていない。
が、なるほど。もうすぐ授業が始まる。
「周」
流が周に近づく。
周はまだキレたまま。
「何?」
返事をするが目が笑っていない。
そんな2人を俺、いやクラスメート達は黙って見守る。
誰も何も言わない。
物音ひとつたてない。
「人に当たるのやめろ」
「流に関係ないだろ」
隣の奏汰なんか半泣きだ。