青空メモリー
気づけばいつも空を見てた。
特に意味はなく、理由もなく。
最初は空が好き、とか空を見ると落ち着く、とかだった気がする。
しかし高校生になった今では頭を空っぽにして、ただ無心で。
それが癖になっていた。
そんなある日、俺は屋上でまた空を見ていた。
「ちょっと考え直して!危ないよ!」
第一印象は背が高い勘違い野郎。
勝手に勘違いして俺につきまとってくる変なやつ。
でも俺はそんな奏汰といるのが楽しくなった。
「最初の頃は全然話してくれなかったよね」
「そうだったか?」
2人は無言に戻る。
けれど気まずくない。
この時間も意外と落ち着くし、好きである。
「明日はみんなで帰ろっか。じゃーね」
手を降りつつ言った奏汰に頷き、手を振り返す。
1人になり、もぅ一度空を見る。
明日も晴れそうだ。