青空メモリー
それから適当な話をし、教室へと戻った。
授業に出ようかと思ったが、苦手な数学だったのでサボることにした。
別に数学が嫌いなわけじゃない。
先生が苦手なのだ。
あの先生は俺と合わない。
絶対に合わない。
数学はほとんど机で突っ伏してるか、屋上にいるかがほとんどだ。
今日も屋上へ行って空をみよう。
そう思った俺は屋上へと足を運んだ。
俺はよく屋上に来るが、本来屋上は立入禁止だ。
入学した時に抜け道を見つけた。
鍵が掛かっているドアの左側。
昔使っていたであろう本棚をどかすと、俺がしゃがんでギリギリ入るほどの穴がある。
その穴を抜けると屋上だ。
ちなみに本棚は意外と軽いので誰でも動かせる。
慣れた手付きで屋上へ行き、寝転がる。
空は曇っている。
全体を薄い雲が覆っていて、少し暗い。
ふとさっきのことを思い出す。
双子達は話しやすく、今まで2人を知らなかったのがもったいないほどだ。
俺は1人でいいと思ってたし楽だと思ってた。
誰かといると疲れる。
めんどくさい。
でもあいつらといると落ち着く。
人にこんな気持ちを抱いたのは初めてだ。
人なんてめんどくさいものなのに。
奏汰達といるのも悪くないな…。
俺はゆっくりと目を閉じた。