太陽と雪
矢吹にいつも通り、髪のセットをしてもらう。
今日は手早く出来るように耳上の髪を1つにまとめたお嬢風ハーフアップ。
「行くわよ、矢吹」
上下のコーディネートなんて組んでいる時間はない。
花柄のロング丈ワンピースにオープントゥのパンプスをを履く。
矢吹にノーカラージャケットを渡された。
「いつものホテルの会議室でございますよね?
あの場所は冷房が効いておりますので」
「……ありがと」
矢吹にそれだけを言って、南の操縦するヘリに乗って、会議の場へと急いだ。
「矢吹。
今日だけは許すわ。
どんな危険があるか分からないから、会議室付近を見張ってなさい!」
「仰せのままに。
……彩お嬢様」
矢吹の反応を確認すると、会議に急いだ。
「ごめんなさいね。
召集を掛けた私がこんな遅いなんて」
「気にしないで」
帰ってきたのは、カタコトの日本語。
まあ……無視されるよりはいいわ。
「そうだ。
彩。
これ、彩にって」
副主任から紙を渡された。
「何よ、これ」
「コンテスト、らしいです」
女性獣医師限定のコンテスト。
優勝賞金、150万円か。
準優勝でも、100万円。
系列会社の経営陣はかなり優秀だから今回の赤字は簡単に立て直せる。
だけど、北村動物病院は……
おそらく、私1人がどんなに手を尽くしたところでムリ。
赤字額、50万円は超えるだろうし。
まあ、午後に院長と決算額を叩き出すまでわからないけれど。
この大会、誰がなんと言おうと、出るしかないってことね。
今日は手早く出来るように耳上の髪を1つにまとめたお嬢風ハーフアップ。
「行くわよ、矢吹」
上下のコーディネートなんて組んでいる時間はない。
花柄のロング丈ワンピースにオープントゥのパンプスをを履く。
矢吹にノーカラージャケットを渡された。
「いつものホテルの会議室でございますよね?
あの場所は冷房が効いておりますので」
「……ありがと」
矢吹にそれだけを言って、南の操縦するヘリに乗って、会議の場へと急いだ。
「矢吹。
今日だけは許すわ。
どんな危険があるか分からないから、会議室付近を見張ってなさい!」
「仰せのままに。
……彩お嬢様」
矢吹の反応を確認すると、会議に急いだ。
「ごめんなさいね。
召集を掛けた私がこんな遅いなんて」
「気にしないで」
帰ってきたのは、カタコトの日本語。
まあ……無視されるよりはいいわ。
「そうだ。
彩。
これ、彩にって」
副主任から紙を渡された。
「何よ、これ」
「コンテスト、らしいです」
女性獣医師限定のコンテスト。
優勝賞金、150万円か。
準優勝でも、100万円。
系列会社の経営陣はかなり優秀だから今回の赤字は簡単に立て直せる。
だけど、北村動物病院は……
おそらく、私1人がどんなに手を尽くしたところでムリ。
赤字額、50万円は超えるだろうし。
まあ、午後に院長と決算額を叩き出すまでわからないけれど。
この大会、誰がなんと言おうと、出るしかないってことね。