太陽と雪
屋敷に戻った私は、首元にビジューの飾りとウエストにリボンがついた黒ドレスに着替えて、
矢吹に髪のセットを頼んだ。
「さすがは、彩お嬢様。
そのようなドレスが、よくお似合いでいらっしゃいます」
似合うとかって……
レディーが言われて一番嬉しいセリフ!!
矢吹のヘアアレンジには感服した。
分け目から1本細めに三つ編みをしてくれて、その下から大きなベロアリボンが付いたゴムで結んでくれた。
「さすが矢吹ね。
ありがと」
「ありがとうございます、彩お嬢様。
私、なんとお礼を申し上げてよいやら。
主に褒められるとは、ありがたき幸せ」
深々と頭を下げた彼。
「そんな気にしないでいいのよ?
いつものリムジンを玄関まで回してちょうだい」
「かしこまりました。
彩お嬢様」
リムジンに揺られること1時間。
目的のホテルに到着した。
「ねえ矢吹、ここのオーナーって、確か、パパの知り合いだったわよね?」
「ええ。
伊達 明日香さまとうかがっております」
「そう」
その名前は、その昔パパから聞いた覚えがあったのだ。
パパの知り合いの娘らしい。
「では、お嬢様。
行ってらっしゃいませ」
「え?
何でよ。
矢吹は行かないの?」
つい、強めに矢吹の執事服の裾を引っ張ってしまう。
「お嬢様は、そんなに私に来てほしいのでございますか?」
「別に。
そんなこと、一言も言ってないし。
私がつい、飲みすぎて帰れなくなったらどうするのよ」
「私も参りますよ。
執事は常に、お嬢様の傍にいるものでございますから」
会場に入ると、院長を除いた従業員全員に、誰?と言われた。
「アンタたち、バカでしょ?
服と髪型と化粧変えたらもう誰か分かんないのかしら?
観察力無さすぎよ」
「ああ、オーナーか……
って……
えぇっ!?」
葦田なんて、腰をぬかさんばかりの驚きようだった。
なんでそんな驚いてるのよ……
そっか。
私、院長以外には伏せてるんだったわ。
財閥の社長令嬢だって。
矢吹に髪のセットを頼んだ。
「さすがは、彩お嬢様。
そのようなドレスが、よくお似合いでいらっしゃいます」
似合うとかって……
レディーが言われて一番嬉しいセリフ!!
矢吹のヘアアレンジには感服した。
分け目から1本細めに三つ編みをしてくれて、その下から大きなベロアリボンが付いたゴムで結んでくれた。
「さすが矢吹ね。
ありがと」
「ありがとうございます、彩お嬢様。
私、なんとお礼を申し上げてよいやら。
主に褒められるとは、ありがたき幸せ」
深々と頭を下げた彼。
「そんな気にしないでいいのよ?
いつものリムジンを玄関まで回してちょうだい」
「かしこまりました。
彩お嬢様」
リムジンに揺られること1時間。
目的のホテルに到着した。
「ねえ矢吹、ここのオーナーって、確か、パパの知り合いだったわよね?」
「ええ。
伊達 明日香さまとうかがっております」
「そう」
その名前は、その昔パパから聞いた覚えがあったのだ。
パパの知り合いの娘らしい。
「では、お嬢様。
行ってらっしゃいませ」
「え?
何でよ。
矢吹は行かないの?」
つい、強めに矢吹の執事服の裾を引っ張ってしまう。
「お嬢様は、そんなに私に来てほしいのでございますか?」
「別に。
そんなこと、一言も言ってないし。
私がつい、飲みすぎて帰れなくなったらどうするのよ」
「私も参りますよ。
執事は常に、お嬢様の傍にいるものでございますから」
会場に入ると、院長を除いた従業員全員に、誰?と言われた。
「アンタたち、バカでしょ?
服と髪型と化粧変えたらもう誰か分かんないのかしら?
観察力無さすぎよ」
「ああ、オーナーか……
って……
えぇっ!?」
葦田なんて、腰をぬかさんばかりの驚きようだった。
なんでそんな驚いてるのよ……
そっか。
私、院長以外には伏せてるんだったわ。
財閥の社長令嬢だって。