太陽と雪
梓さんと二人で夕食を囲んで、久し振りだからいろんな話で盛り上がった。


そんな中、私の部屋で一緒に寝ることになった梓さんが問いかけてきた。


「何かあったら相談すること。

私、昔から貴女に言ってたわよね?」


「どうしても……話さなきゃダメですか?」


「何かしら?
私、そんなに頼りない?」


そういうわけでもないですが……

事が事だし、話の経緯も複雑だから話しづらいっていうか。


「どうしても……話したくないのなら無理にとは言わないわ」


梓さん……何か知ってるの?



「まあ、一つ言えるのは、貴女の元執事は、何か理由があって、美崎の執事になったってこと。」


「理由……?」



「貴方が気にしている事故……
あれに巻き込まれたのは別の人間。

その可能性だって、ないワケじゃないわよね?

藤原とは関わりある人間かもしれないけれど」



さすが……梓さんだ。
視野が広い。


梓さんはなんでそこまで知ってるの?

そっか……梓さんは私に会う前に美崎に病室で会ってるんだ……

美崎から聞いたのね。

「人は変われるわ。

いろいろな人と関わりを持つことによってね。

関わる人によって、いい影響も受ける。
悪い影響も受ける。

美崎は、悪い影響を受けてはいるけれど、その環境から必死に脱出しようともがいている。

貴女はどうするの?彩。

少しは丸くなったようだけど、まだ、人と関わるときに一歩踏み込めない癖は残っているわね。

そんな状態で、次期当主になる貴方の弟のサポートは出来るのかしら」

本質を見抜いたような梓さんの言葉に、私は何も言えなくなってしまった。
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