太陽と雪
「だから、彩に言ったろ?
ココにいなくていい、と」
「これ……まさか……藤原の?」
「そうよ。
そして、遺体の身元は、藤原 拓未」
「……!!!」
「意味が分からないわ!
何で今更……?
もう…藤原はあの事故で……!
今日はエイプリルフールなんかじゃないわ!
嘘を言わないで!」
私はそれだけを言ってから、走ってリビングを飛び出した。
誰かにぶつかってようやく、止まった。
「いってー。
ったく……ちゃんと前みろよ、
って、姉さん?」
「麗眞……」
そこにいたのは、麗眞だった。
「ふぇっ……
麗眞っ……」
そう言って、泣きながら麗眞に抱きつく私を、優しく優しく抱き留めてくれた。
こんな感じで、あのコンテストの日、椎菜ちゃんにもそうしたのだろうか。
こんなことされたら、気があるなら確かに惚れそうにもなるな。
「聞いちゃった……か。
親父とおふくろから」
「姉さん、あの事故の犠牲者、藤原の兄だったんだよ。
ごめん。
つい最近、調べてやっと分かったし。
なかなか言うタイミングなくて……さ。
考えてたの。
どうしたら、姉さんを傷つけずに済むか。
俺は、姉さんの泣き顔なんて見たくないし。
なのに結局こうやって泣かせたし。
敢えて言っておくけど、弟としてだからな?
俺が本気で好きで、抱きたいのは今でも椎菜だけだし」
「麗眞……」
何よ。
年下のくせに……
私より……よっぽどできた大人じゃない。
「情けないわよね、麗眞の前で泣くなんて」
「そんなことないって。
まぁ、矢吹さんの前でも、本来のそういう、姉さんの弱い部分出して甘えろよ。
庇護欲そそられる女、って守りがいがあるもんだよ。
姉さん、朝飯、食ってないんだろ?
食堂行こうか」
え……
なんで知っているの……?
「あのさぁ、何年一緒にいると思ってんの?
姉さんのことならある程度は分かるの」
耳元でそう言われて、少しくすぐったかった。
矢吹とはまた違う、低い声が心地良い。
「うん、行く」
素直に頷いた。
ココにいなくていい、と」
「これ……まさか……藤原の?」
「そうよ。
そして、遺体の身元は、藤原 拓未」
「……!!!」
「意味が分からないわ!
何で今更……?
もう…藤原はあの事故で……!
今日はエイプリルフールなんかじゃないわ!
嘘を言わないで!」
私はそれだけを言ってから、走ってリビングを飛び出した。
誰かにぶつかってようやく、止まった。
「いってー。
ったく……ちゃんと前みろよ、
って、姉さん?」
「麗眞……」
そこにいたのは、麗眞だった。
「ふぇっ……
麗眞っ……」
そう言って、泣きながら麗眞に抱きつく私を、優しく優しく抱き留めてくれた。
こんな感じで、あのコンテストの日、椎菜ちゃんにもそうしたのだろうか。
こんなことされたら、気があるなら確かに惚れそうにもなるな。
「聞いちゃった……か。
親父とおふくろから」
「姉さん、あの事故の犠牲者、藤原の兄だったんだよ。
ごめん。
つい最近、調べてやっと分かったし。
なかなか言うタイミングなくて……さ。
考えてたの。
どうしたら、姉さんを傷つけずに済むか。
俺は、姉さんの泣き顔なんて見たくないし。
なのに結局こうやって泣かせたし。
敢えて言っておくけど、弟としてだからな?
俺が本気で好きで、抱きたいのは今でも椎菜だけだし」
「麗眞……」
何よ。
年下のくせに……
私より……よっぽどできた大人じゃない。
「情けないわよね、麗眞の前で泣くなんて」
「そんなことないって。
まぁ、矢吹さんの前でも、本来のそういう、姉さんの弱い部分出して甘えろよ。
庇護欲そそられる女、って守りがいがあるもんだよ。
姉さん、朝飯、食ってないんだろ?
食堂行こうか」
え……
なんで知っているの……?
「あのさぁ、何年一緒にいると思ってんの?
姉さんのことならある程度は分かるの」
耳元でそう言われて、少しくすぐったかった。
矢吹とはまた違う、低い声が心地良い。
「うん、行く」
素直に頷いた。