太陽と雪
何で……


なんで、藤原の兄が私の執事を?

「これは俺の推測も混じっているが、聞いてくれ。

ちょっと調査をしなければならないことがあったという。

執事を辞めて調べなきゃいけないほど危険なものであったらしい。

それを調べていたそうなんだ」



「まあ、そうだとしても、その過程で美崎……
つまり、城竜二家と何らかの関わりを持ってしまったのね。

当時から噂されてたから。
彼らは裏の組織と繋がりを持ってるって。


行方不明者多数、死亡者だけでも100越えてる、みたいな」


「それだけじゃないよ、姉さん。
麻薬密輸や人身売買とかもやってる。

最も、姉さんがあのホテルで呑まされた睡眠薬は城竜二家の薬剤師が開発したそうだからな」


「藤原は……人身売買された……ってこと?」


「多分、執事を片っ端から誘拐して、使えるやつは自分の主に仕えさせよう、って魂胆だったんじゃね?」


「使えないやつは、とにかくどんな酷い方法使っても殺しただろうな……」



「姉さんには悪いが、あの事故も徹底的に洗い直したんだ。


藤原の兄の。


あれ、飲酒運転していたドライバーが悪いんだ。

だけど、飲酒運転が多いから検問を張ってた。

それをわざと見過ごしたんだ。

名前は分からないが、その検問を見逃した警察官もおそらくは城竜二家に関係がある人物だ」

「え……そうなの?」

朝食のフレンチトーストを食べる手は、ピタリと止まっていた。


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