太陽と雪
「俺がそう言うんだからそうなの。

っていうか、姉さん。

話に夢中で何も食ってねえじゃん。
食えば?」


そういえば……

全然食べてなかったわ。



「分かってるわよ」


麗眞の執事、相沢さんの特製朝食を胃に入れる。



「さすが、麗眞の執事ね。

味も食感も、風味も、申し分ないわ。

ベーコンエッグも美味しい」


「恐れ入ります。

矢吹さんから彩さまの好みをうかがっておりましたので」



そうなの……



「とにかく、問題は、なぜ藤原がわざわざ執事を辞めてまで調べたいことが何だったのか、ってことよ」



2人で考え込んでいると、思わぬ訪問客が。


「そのことなら、私が知ってるわ。

すべて話すわ、洗いざらい」

見知った声。

その人物は、まだ大事をとって病院に入院しているはずだった。



「……美崎!!」



マロン色の髪色以外は、レースとフリルを使った露出度の高い服装も、派手なメイクも、昔の美崎だ。


「貴女……もう、退院して大丈夫なの?」


「ええ。
美崎さまは、精神的なショックのみでしたから。

私が退院させました」


高沢までいるし…

いつの間に帰ってきたんだか……


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