太陽と雪
「ちょっ……麗眞っ……」
軽々と私を抱き上げる麗眞。
矢吹とはまた違う、腕と胸板の感触が新鮮で心地よかった。
「口答え禁止。
寝てろ?」
「姉さんが寝てる間に、刑事としての仕事しておくから。
な?」
「仕事……?」
「そ。
俺が思うに、藤原さん、自殺とは考えられないから。
親父やおふくろにも状況聞いて、ちゃんと死因まで解明するから」
麗眞は、あの事件……
藤原の兄が亡くなった事故での警察の行動が私のトラウマだって、ちゃんと知ってる。
だからこそ、その言葉が素直に嬉しかった。
「ありがとう、麗眞。
それでこそ、私の弟よ?
椎菜ちゃん溺愛なだけじゃなかったのね。
眠れるか分からないけど、頑張って寝てみるわ」
「眠れるだろ。
姉さんも、いろいろあって疲れてるんだし」
麗眞はそれだけ言って、部屋を出た。
麗眞と入れ替わるようにして入ってきたのは、美崎だった。
「彩、ごめん。
彩が……貴女が藤原さんのこと、まだ少し好きだなんて……忘れられてないだなんて知らなくて」
「なんで謝るのよ」
「あのテーマパークのホテルで、あからさまに元から私の執事ですってふうに接しちゃったし」
「何、今更気にしてるのよ。
私、過去は気にしないの。
だから、謝らなくていいわよ。
だいたい、美崎なりに気を遣ってくれたんじゃないの?
藤原が私の執事じゃなくなって6年くらい経った今でも、藤原に、私のことを覚えていてほしかった。
だからでしょ?
わざと美崎と藤原が私の近くにいたの」
「鋭いわね……相変わらず。
全部バレてるじゃない」
「私こそごめんなさいね?
美崎。
変わってないのね、根はかなり優しいとこ。
貴女が180度変わったって思い込んで、ずっと連絡しないでいたから……」
「いいのよ、そんなの」
何か、懐かしいわね。
こういうの。
久しぶりに、美崎と2人で小学校の頃の話とか高校に上がってからの話をした。
軽々と私を抱き上げる麗眞。
矢吹とはまた違う、腕と胸板の感触が新鮮で心地よかった。
「口答え禁止。
寝てろ?」
「姉さんが寝てる間に、刑事としての仕事しておくから。
な?」
「仕事……?」
「そ。
俺が思うに、藤原さん、自殺とは考えられないから。
親父やおふくろにも状況聞いて、ちゃんと死因まで解明するから」
麗眞は、あの事件……
藤原の兄が亡くなった事故での警察の行動が私のトラウマだって、ちゃんと知ってる。
だからこそ、その言葉が素直に嬉しかった。
「ありがとう、麗眞。
それでこそ、私の弟よ?
椎菜ちゃん溺愛なだけじゃなかったのね。
眠れるか分からないけど、頑張って寝てみるわ」
「眠れるだろ。
姉さんも、いろいろあって疲れてるんだし」
麗眞はそれだけ言って、部屋を出た。
麗眞と入れ替わるようにして入ってきたのは、美崎だった。
「彩、ごめん。
彩が……貴女が藤原さんのこと、まだ少し好きだなんて……忘れられてないだなんて知らなくて」
「なんで謝るのよ」
「あのテーマパークのホテルで、あからさまに元から私の執事ですってふうに接しちゃったし」
「何、今更気にしてるのよ。
私、過去は気にしないの。
だから、謝らなくていいわよ。
だいたい、美崎なりに気を遣ってくれたんじゃないの?
藤原が私の執事じゃなくなって6年くらい経った今でも、藤原に、私のことを覚えていてほしかった。
だからでしょ?
わざと美崎と藤原が私の近くにいたの」
「鋭いわね……相変わらず。
全部バレてるじゃない」
「私こそごめんなさいね?
美崎。
変わってないのね、根はかなり優しいとこ。
貴女が180度変わったって思い込んで、ずっと連絡しないでいたから……」
「いいのよ、そんなの」
何か、懐かしいわね。
こういうの。
久しぶりに、美崎と2人で小学校の頃の話とか高校に上がってからの話をした。