太陽と雪
いつのまにか……寝てしまっていたらしい。

よく覚えてないわ。

美崎と高校やら小学校のときの話をしていた記憶しかないし……


って……美崎は?

ベッドから飛び起きると、部屋の外に出る。



寒っ……!


フランスは、日本に比べて寒い。

ここの気候を甘く見て、レースワンピ1枚で寝た私がバカだった。


「お、姉さん。

起きた?

おはよ。

ってか、そんな格好してんな?
エロいだけだし、寒そうなんだけど?

姉さんじゃなくて椎菜だったら問答無用で抱き潰してるけど」

それだけ言った麗眞は、持っていたパーカーを私に投げてよこした。

椎菜ちゃんが不憫だ。

よくこんな性欲オバケが側にいて愛想を尽かさないな。

「着てろ?

ま、矢吹さんから預かったんだけど。

寝起きでボーッとしてるのに、降りられる?

下降りるぞ。

昼飯食ったら、リビング集合な?」


朝から何なのよ。

まぁ、麗眞に起こされるのは少し新鮮ではあったけれど。

< 150 / 267 >

この作品をシェア

pagetop