太陽と雪
翌朝。


「相沢。車出してくれ」


「もうすでに用意は整っておりますので、どうぞお乗りくださいませ。

麗眞坊ちゃま」

さすが相沢。
用意いいな。


「あの……麗眞坊ちゃま?

本当に、あの学校でガイダンスを行うのでございますか?」


「そうだけど」


なぜか、今日の相沢は歯切れが悪い。


「麗眞坊ちゃまにとっては、嬉しい誤算になるとは思いますがね。

まぁ、楽しみになさっていて下さいませ」


有能な俺の執事、相沢のいつになく意味深な態度が気になった。

何か……あるのか?

そんな会話をしている中、リムジンが学校に到
着した。


「では、お気を付けて。
坊ちゃま」


「じゃ、行ってくるよ」


ガイダンス担当の先生と、綿密に打ち合わせを行う。


その過程で……またまた頼まれごとをした。



「麗眞くん。

もう一つ、頼まれごとをしてくれないか。

実は、護身術を教える先生がいないんだ。

君に、非常勤の講師となってもらって、ぜひ授業を担当してほしいんだ……

いいかね?」


「構いませんけど」


護身術を知っておいて、損はないから。


女子もサークルやらバイトで帰りが遅くなることもあるだろうし?

その時に、覚えておくと便利だ。



90分に渡る打ち合わせも終わり、休憩の時間となった。





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