太陽と雪
「椎菜……?
どうした……?」
数分の間、全身が石になったかのように固まっていたため、椎菜の顔を覗き込んだ。
今度は、俺がビックリする番だった。
何で泣いてんだよ……
「何?
高沢の料理……口に合わなかった?」
「ううん。
全然そんなことない。
むしろとっても美味しい」
嬉しかっただけだ、と椎菜は消え入りそうな声で呟いた。
「麗眞。
貴方から、結婚を匂わす発言が聞けたことが嬉しかったの。
麗眞、私と結婚する気なんてないと思っていたから」
「椎菜さ、お前バカ?
俺、世界一好きな女と一緒にならないほど薄情な男じゃないからね?」
そう、耳元で言ってやると、椎菜は安心したようにふうと息を吐いた。
「……良かったな、高沢。
料理不味いわけじゃなかったって」
「麗眞さま、幸せそうなご様子を拝見できて何よりでございます。
では、また椎菜さまの様子を見に伺います。
一旦失礼いたします」
高沢はそれだけ言い残して、早足で病室を出ていった。
さっきの高沢の言葉は、オレと椎菜のことを羨ましがっているようにも、妬ましがっているようにもとれた。
外はもうすでに、ブルーと灰色が混在したマーブル模様になってきている。
「椎菜、また来る」
「もう帰るの?」
「ああ。
一度帰って、親父やおふくろ、姉さんにも話すことあるんだ。
ごめんな」
「そっかぁ。
本当は、もう少しいてほしかったけど。
わがまま言えないもん。
気を付けて帰ってね?」
不意打ちでそんなこと言うな。
頼むから。
……本気で襲いたくなる。
何なら白い入院着すらもエロい。
角度によっては谷間がチラっと見えそうで本当に危うい。
よくぞ耐えた、俺!
「ありがと。
ちゃんと寝とけよ?
目の下に隈できそうだぞ。
高校の頃の同級生、理名ちゃんみたいになっちゃうぞ」
「ちゃんと寝るもん」
「ん。
いい子」
そう言って今度こそ、椎菜の唇に軽く唇を落とすと、これ以上欲情しないうちに病室を出た。
どうした……?」
数分の間、全身が石になったかのように固まっていたため、椎菜の顔を覗き込んだ。
今度は、俺がビックリする番だった。
何で泣いてんだよ……
「何?
高沢の料理……口に合わなかった?」
「ううん。
全然そんなことない。
むしろとっても美味しい」
嬉しかっただけだ、と椎菜は消え入りそうな声で呟いた。
「麗眞。
貴方から、結婚を匂わす発言が聞けたことが嬉しかったの。
麗眞、私と結婚する気なんてないと思っていたから」
「椎菜さ、お前バカ?
俺、世界一好きな女と一緒にならないほど薄情な男じゃないからね?」
そう、耳元で言ってやると、椎菜は安心したようにふうと息を吐いた。
「……良かったな、高沢。
料理不味いわけじゃなかったって」
「麗眞さま、幸せそうなご様子を拝見できて何よりでございます。
では、また椎菜さまの様子を見に伺います。
一旦失礼いたします」
高沢はそれだけ言い残して、早足で病室を出ていった。
さっきの高沢の言葉は、オレと椎菜のことを羨ましがっているようにも、妬ましがっているようにもとれた。
外はもうすでに、ブルーと灰色が混在したマーブル模様になってきている。
「椎菜、また来る」
「もう帰るの?」
「ああ。
一度帰って、親父やおふくろ、姉さんにも話すことあるんだ。
ごめんな」
「そっかぁ。
本当は、もう少しいてほしかったけど。
わがまま言えないもん。
気を付けて帰ってね?」
不意打ちでそんなこと言うな。
頼むから。
……本気で襲いたくなる。
何なら白い入院着すらもエロい。
角度によっては谷間がチラっと見えそうで本当に危うい。
よくぞ耐えた、俺!
「ありがと。
ちゃんと寝とけよ?
目の下に隈できそうだぞ。
高校の頃の同級生、理名ちゃんみたいになっちゃうぞ」
「ちゃんと寝るもん」
「ん。
いい子」
そう言って今度こそ、椎菜の唇に軽く唇を落とすと、これ以上欲情しないうちに病室を出た。